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11月10日

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アメリカの大統領選挙でオバマ氏が再選されました。

かつて繁栄を謳歌した時代の記憶も生々しい中で厳しい現状にさらされている多くのアメリカ国民が、冷静な判断をしたことをさすがだと思いました。

現状の厳しさはオバマ政権の政策の結果ではなく、それ以前のツケであることを国民が理解していることの証明でしょう。

共和党が推し進めてきたさまざまな大企業の利益優先の市場原理主義の行き過ぎ、

軍需産業を潤わせるためなら戦争という手段も用いることも厭わず、企業が儲けを追究することが最重要とする社会を極めた結果、

代償として国民が払わされたのは、支払できる限度額をはるかに超えて消費することを当たり前と考えさせたサブプライムローンのなれの果てによる

家庭経済の崩壊であったり、全てが自己責任で格差が助長され、富める者は国民健康保険という考え方に同意せず、

貧しい者は健康保険に入っていない者が多く、突然重い病に見舞われて一回の手術を受けただけで破産してしまうのが当たり前、

また、イラクやアフガニスタンの戦場から帰ってきた兵士たちの多くが心の病を抱えている現状。そうした社会を、

経済的繁栄だけを基準にして、果たして「もう一度取り戻したい社会」だったのかどうかを冷静に判断した結果ではないかと思うのです。

しかも負けたロムニー氏は、選挙の後、オバマ氏への協力を宣言し、「今のアメリカは政党間争いをしている場合でははい」と言いました。

敵ながらアッパレな負け様です。

 

さて振り返って日本の現状はお粗末なもので、日本の現状を生みだしたのは戦後の自民党政権(特にバブル期から後の劣化した自民党)の

未来図を何も描かず、ひたすらアメリカについてゆけば大丈夫、程度の成長戦略なき惰性だけの国家運営のたまものであるにもかかわらず、

そして民主党政権に移行してからも、「天秤が傾くの待っていれば、そのうちこちらに風が吹く」程度に構えて

自己反省を何ひとつしていない自民党に、本当に再び世論の風が吹いているらしいのだから呆れてしまう。

現状の悪さを誰かのせいにして、「そいつさえ叩きのめせば現状は良くなる」という単純な思考回路が透けてみえてうんざりです。

 

何度も繰り返し書いているので、この絵日記を読んでくださっている方は辟易しているかもしれませんが、

安倍晋三が自民党の総裁になってから、彼のやっていることは政権争いだけじゃないですか。

彼が再び日本の首相になったとしたら、彼は、日本や世界の状況がどうであるかなどの大局をみることもなく、自分がやりたいこと、

すなわち、またしても彼の頭のなかにある「美しい日本」の押し付けが始まるだけでしょう。彼の政権のときだけさんざん繰り返された

憲法論議がまた掘り返され、緊張の高まる東アジア情勢を早急に改善させる何の手段も持っていないにもかかわらず、

「現状よりマシ」とかいう、多くの国民の「誰かへの責任転嫁の思考」の跋扈だけで、

まともな政策論議もないまま安倍のような人物をこの国のリーダーとして再登場させかねないのは、本当に勘弁してほしいです。

 

※追記:自民党は選挙対策のために石破幹事長と安倍総裁の“ゆるキャラ”を作るそうです。どこまで国民をバカにしてるんだ?と。